新宿御苑前からほど近くにある「葡庵」さんにて、またまた久しぶりの葡萄酒の会を開催しました。
前回(1年前)、あまりにワインが沢山余ったので、フードロスならぬワインロスを危惧し、飲み放題のコースでもあったので、今回は主催の3名が1、2本の持参で間に合わせましょう、と全部で5本持ち寄ったのですが、蓋を開けてみたら何と14名の大パーティになっており、当然ワインが足りるはずもなく‥飲み放題のビールやワインも飲みながら、結局日本ワインを3本追加しました。しかしながら、お陰様で今まで気になっていたワインが飲めて大大満足です!
そんな今回の8種類のワイン達をご紹介します。
1. イケダワイナリー Koshu Blanc de Blanc Sparkling 2016(勝沼)
まず乾杯は、お馴染み大人気のイケダワイナリーさんが作るBlanc de Blancです。 ブラン・ド・ブランと読み、フランス語で「白の中の白」という意味で白ブドウのみで作るスパークリングのことを言います。瓶内熟成ではないですが元々スッキリとしている甲州はスパークリングにすると爽快感に溢れるイメージ、イケダさんが厳選された甲州のベースワインでより美味しい味わいのスパークリングでした。これ、生産本数が少なく、あまり出回っていない上に、売り出すとほぼ同時に即完売商品なんですよ^^
2. シャトー勝沼 鳥居平100% 2011(勝沼)
シャトー勝沼さんは勝沼の中でも歴史のあるワイナリーで、勝沼というワイン産地を世に知らしめる為に努力されたメンバーの一員でもあります。勝沼では大手に入る会社でカジュアルなワインを作る一方、品質にこだわるワインもあります。今回いただいた「鳥居平100%甲州」はシャトー勝沼さんこだわりの1本です。勝沼町に「鳥居平(とりいびら)」という場所があり勝沼で最も日照時間が長く、ブドウがよく熟し果実味豊かなスタイルになります。作りたての頃はもっとしっかりしたタイプだったのでは?と推測しますが、2011年物と約8年の熟成を経て、全体がすごくまろやかになっていていたので、飲み頃のピークだったのではないでしょうか。 一番良い状態で飲めて幸せを感じました ♪ とても美味しかったです。
3. グレイスワイン(中央葡萄酒) 樽甲州 2016(勝沼)
このワインは、まだグレイスワインで仕事を始める前に個人的に購入したものなのですが、実はこれ、今は廃盤銘柄なんです(泣)ブドウ産地はシャトー勝沼さんと同じ「鳥居平」がメインで入っています。果実味豊か且つ際立つ酸味、それを小樽で3ヶ月熟成させています。
鳥居平の日照は勝沼の中でも有名で、力強いブドウが出来るので樽に耐えうる品質があります。それでもグレイスワインは甲州を長期間樽に入れることはしません。ブドウの味わいを前面に出す事に重きを置いているからです。樽に長く入れるとフルボディになり飲みごたえは出ますが、果実味は隠れてしまいます。ですので樽は古樽を使い、ほのかに樽香をつけています。多分これが「樽熟成」という銘柄が廃盤になった一番の理由なのでしょう。。このワイン自体、全然樽の主張は強くなく果実味とのバランスは素晴らしかったです。もう造られないのは残念ですが、最後のボトルを葡萄酒の会の皆さんと楽しむ事が出来て嬉しかったです。
4. グレイスワイン (中央葡萄酒)明野ブラン 2017 (山梨・明野)
山梨県北杜市に「明野町」という地域があります。茅ヶ岳山麓の傾斜地に位置し、標高は700m、ブドウ育成期間の日照時間は日本一を誇ります。ここで造られた「明野甲州」や「キュヴェ三澤」はあまりにも有名ですが、今回いただいた「明野ブラン」は比較的若木でスッキリとした味わいのシャルドネです、それもそのはず、ソーヴィニヨンブランが2割ほどブレンドされています。こういったブレンドは珍しいのですが、樽で発酵させたしっかりしたシャルドネにソーヴィニヨンブランのハーブの香りがアクセントになり全体をスッキリさせています。私が個人的に好きな点は、このワインがスクリューキャップで栓をされている所です。若木のフレッシュさをスクリューで閉じ込めることで余分な香りが移らず、明野の土や空気さえ(テロワール)も表現しているように思います。もちろん上級銘柄はコルクで瓶詰めされているのですが。。。
5. シャトーメルシャン椀子ソーヴィニヨンブラン2017(長野)
みんなの憧れ「椀子(マリコ)ヴィンヤード」(メルシャン)ソーヴィニヨンブランです。 マリコ・ヴィンヤードは、メルシャンが誇る長野県上田市丸子にある、標高も日照量も文句なし、雨も少なく涼しくワイン用ブドウには最適な環境を持つ畑です。ここでメルシャンの高級ワインが造られていて、現在も新しいワイナリーを建設中、今年秋にオープンします。オープンしたらぜひ行ってみたい ♪
さて、いただいたソーヴィニヨンブランのお味はというと、爽やかなグレープフルーツの柑橘系の香りと共にマンゴーのようなトロピカルの雰囲気もあります。ソーヴィニヨンブラン特有のハーブ香とミネラル感も豊富で全体に厚みを感じました。ニュージーランドのソーヴィニヨンブランに似ているけれど、やっぱり日本ワイン、繊細で美しいです。以前いただいた藍茜も良かったですが、やっぱりメルシャンさんのワインは間違いないですね!
6. 都農ワイン マスカットベーリーA 2018(宮崎)
主催の一人が宮崎県の為にお仕事されている方で、必ず宮崎のワインを持参いただいています。暑い宮崎で‥と思いがちですが今や北海道でも38℃を記録する始末、日本中どこでも条件はあまり変わらないかもしれません。それでも都農ワインさんは山と海の近く、というのはアドバンテージ、少なからず良い影響を受けているのでは?と思います。
こちらのテイスティングコメントは? 透明感のあるルビー色、甘いイチゴやラズベリーの香り、味わいはアメリカンチェリーの様な軽やかな果実味とピリっとくるスパイスが感じられます。軽口でスイスイ飲めちゃう赤ワイン。個人的には和食と合いそうと思いました。都農ワインさんは他にも様々な品種に挑戦されているみたいです、次回は何かリクエストしてみようかな♪
7. Woody Farm & Winery "Y" Merlot 2015(山形)
実はこれ、ずっと飲んでみたかったんです♪ 山形県は山梨と同じ、山に囲まれた盆地でぶどう作りが盛んです。ワイナリーは少なく現在13軒のみで、Woody Farm & Winery は元々果実園を営んでいましたが2011年から本格的なワイナリーになりました。小さいながら100%自社農園のブドウを使い、このワインに関しては子供達によって”足踏み”で破砕されています。”足踏み”は、ワインの伝統国(フランス、イタリア、スペイン)で昔使われていた方法で、現在は一部を除いてほぼありません。しかしながら”足踏み”はより柔らかなタンニンと濃い色の抽出が可能です。しかも子供の足ならば更に柔らかい味わいが出せるかもしれません。グラスに注いでみると、色は透明感のある綺麗なガーネットです。香りはラズベリーや赤すぐりの赤い果実、樽熟成されたと思われる杉の香りやヴァニラの甘いスパイス。でも樽の主張はそれほど強くありません。柔らかいタンニンと果実味で綺麗なミディアムボディに仕上がっています。
8. ココファーム&ワイナリー 陽はまた昇る 2015(栃木)
ココファーム&ワイナリーさんも毎回登場するワイナリー。日本のリスペクトすべきワイナリーの一つです。元々は隣接する「こころみ学園」の教師をされていた方が、学園を利用する知覚障害を持つ生徒達のためにと作ったワイナリー。全ての生徒さんがここのワイン造りに関わっています。そしてその品質は日本のトップレベルと言えると思います。洞爺湖サミットでここのスパークリングが使われたのは有名な話です。
この「陽はまた昇る」はフランス南西部が原産地の「タナ」というブドウが主体になっています。タンニンと色がとても濃い品種で、本来ですとガチガチの硬いフルボディで飲みにくいワインなのですが、他の品種とブレンドして柔らかくし、更に酸素供給という技術でワインをまろやかにして飲みやすくします。このワインも、黒に近いとても濃い紫色で、ブラックチェリーなどの黒いフルーツやコーヒーのしっかりした香り。口に含むと強目のアタック、酸、渋み、そして黒い果実味が豊かに感じられます。それでも乳酸発酵や酸素供給よる効果で全体がまろやかで飲みやすい、タナを飲んでいるのを忘れるくらいです!暖かいイメージで「陽はまた昇る」のワイン名にぴったりですね^^日本でタナに成功している所は多分ココファームさんだけではないでしょうか?
今年もすごく希少なワイン達を飲むことが出来、そしてこの会の皆さんと楽しく語り合うことが出来て本当に幸せなひと時でした。持ち込みワインの数は要検討ですね(笑)葡庵さんのお料理も美味しくいただきました、ありがとうございました!
本当はもっと頻繁にやりたいですのですが、年一ペースになってしまっていて、申し訳ありませんm(__)m
次回は日帰り勝沼ツアーというお話がありますが、ご都合つく方はぜひ勝沼へいらしてください!一日ご案内したいと思っています、もちろん飲み会込みで!
0コメント